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「おっしゃる」「申す」はどっち?仕事で恥をかかないための基本敬語一覧表

「おっしゃる」「申す」はどっち?仕事で恥をかかないための基本敬語一覧表 ビジネスマナー
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ビジネスの現場で最も頻繁に使われる言葉の一つが「言う」や「行く」といった基本動作です。しかし、いざ会話やメールで使おうとすると、「相手にはどちらを使えばいいんだっけ?」と一瞬迷ってしまうことはありませんか?

本記事では、日常業務で欠かせない基本敬語の変換表をまとめました。
これをマスターすれば、上司や取引先の前で言葉に詰まることがなくなり、堂々と振る舞えるようになります。

敬語変換の基本ルール:主語を意識する

敬語選びは「主語が誰であるか」が基準となります。
自分なのか、相手なのか、相手はどのような立場なのか、それらを踏まえて適切な敬語を選んでいきます。

  • 相手の動作を言うときは「尊敬語」を使います。
    自分よりも立場が目上の方に対して、相手を高めるための表現です。
  • 自分の動作を言うときは「謙譲語」を使います。
    相手よりも自分を下げて、相手を高めるための表現です。

この基本を念頭に、以下の変換表をチェックしていきましょう。

【保存版】ビジネス頻出敬語・変換一覧表

仕事で多用する動詞をリストアップしました。
基本中の基本ですので、まずはこの表の内容を反射的に使えるように練習しましょう。

基本の言葉尊敬語(相手が~する)謙譲語(自分が~する)
言うおっしゃる申す・申し上げる
行くいらっしゃる・お越しになる伺う・参る
来るいらっしゃる・お見えになる参る
聞くお聞きになる拝聴する・伺う
見るご覧になる拝見する
するなさるいたす
知っているご存じだ存じ上げている・存じている
食べる召し上がるいただく
座るお掛けになるお座りする

「言う」の使い分け:おっしゃる VS 申す

敬語の使い方でよくある間違いが「言う」の言い換えです。

  • 「おっしゃる」は尊敬語
    お客様や上司など目上の方が何かをお話しになった場合は、「おっしゃる」を使います。
  • 「申す」は謙譲語
    自分が名乗る場合や、自分の意見を伝える場合は、「申す」を使います。

ビジネスシーンでたまに耳にする、「おっしゃられる」は「おっしゃる」+「れる」の二重敬語です。正しくは「おっしゃる」だけで十分ですので、注意しましょう。

このほかにも「言う」でよく使われる敬語表現には以下のようなものがあります。

種類表現ニュアンス・使い分け
尊敬語おっしゃる最も一般的で汎用性が高い表現です。
言われる「おっしゃる」よりも少しマイルド(日常的)な敬語です。
謙譲語申す自分の動作をへりくだる表現。身内について外部に話す際にも使います。
申し上げる「申す」よりもさらに丁寧で、相手に対する敬意が強い表現です。
述べる会議や公式な場で、意見や感想を筋道立てて話す際に使われます。

「行く・来る」の使い分け:いらっしゃる VS 伺う

移動に関する敬語は、電話応対や訪問・来訪時の対応でよく使用します。

  • 相手が来る場合
    「何時ごろにいらっしゃいますか?」または「何時ごろにお見えになりますか?
  • 自分が相手の元へ行く場合
    「14時に貴社へ伺います」または「14時に貴社へ参ります

「伺う」と「参る」の使い分けもよく迷うポイントです。
「伺う」は行く先(相手)を敬う場合に使います。
「参る」は相手を敬う意味もありますが、単に自分の移動を丁寧に言う(丁重語)際にも使われます。

このほかにも移動に関する敬語表現は数多く存在します。

種類表現ニュアンス・使い分け
尊敬語いらっしゃる「行く・来る・居る」のすべてに使える万能な表現です。
お越しになる「来る」の非常に丁寧な表現。わざわざ足を運んでくれたことへの敬意が強いです。
お見えになる「来る」の丁寧な表現。姿が見えた(到着した)というニュアンスが含まれます。
お運びになる「お越しになる」よりもさらに格式高い表現。式典や公式な案内などで使われます。
行かれる / 来られる「れる・られる」をつけた形。日常的で、少しマイルドな敬語です。
謙譲語伺う(うかがう)「行く・来る」の謙譲語。訪問する相手がいる場合に使います。
参る(まいる)「行く・来る」の謙譲語。相手の有無に関わらず、自分を低める表現です。
お邪魔する相手の場所を訪問する際に使われる、控えめな表現です。
参上(さんじょう)する「伺う」よりもさらに力強く、決意を持って訪問するようなニュアンスです。

「知っている」の使い分け:ご存じ VS 存じ上げる

知識や情報の所有に関する敬語も非常に間違いやすいポイントです。

  • 相手が知っているかを聞く
    「こちらのニュースはご存じでしょうか?
    (「知っていらっしゃいますか」は少し幼稚な印象を与えます)
  • 自分が知っていると伝える
    「その件については、かねてより存じ上げております

「存ずる」は物事に対して、「存じ上げる」は人に対して使うのが一般的ですが、ビジネスでは広く「存じております」で対応可能です。

そのほかにも「知っている」の言い換えフレーズはいくつかあります。普段ビジネスシーンではあまり耳にしない表現もありますが、シーンによって使い分けられると洗練された印象を与えます。

種類表現ニュアンス・使い分け
尊敬語ご存じ(です・だ)最も一般的で、相手が知っている状態を敬う表現です。
ご存じでいらっしゃる「ご存じです」よりもさらに丁寧で、相手への敬意が強い表現です。
お聞き及んでいる「(噂などで)すでに知っていらっしゃる」という控えめな敬意を含みます。
謙譲語存じている「もの・こと」を知っている場合に使います。
存じ上げている「人」を知っている場合、あるいは非常に深く知っている場合に使います。
承知している内容を理解し、把握しているというニュアンスが強くなります。
心得(こころえ)ている事情ややり方を十分に理解している、という自信を含んだ表現です。
拝承(はいしょう)する手紙やメールなどで、「承知いたしました」をより硬くした表現です。

実践!間違いやすいフレーズのビフォーアフター

現場でつい口に出てしまいがちな「惜しい」敬語を修正してみましょう。

NG:(上司に向かって)「この資料、見ましたか?
OK:「こちらの資料はご覧になりましたか?

NG:(電話で)「担当者はすぐにいらっしゃいます
OK:「担当者はすぐに参ります
※社内の人間を外部に伝えるときは、上司であっても身内として下げて(謙譲語で)表現します。

NG:(会議で)「私の案をどうなさいますか?
OK:「私の案について、いかがお考えでしょうか?
※「どうする」を単純に「なさる」にすると、少しぶっきらぼうに聞こえることがあります。

まとめ:基本の変換をマスターして自信を持つ

ビジネス敬語の肝は、言葉を飾ることではなく、「主語に合わせた正しい変換」を行うことです。

敬語を使って相手に対する敬意を表現することで、コミュニケーションを円滑にし、信頼関係を構築することが目的となります。

最初は不慣れで間違えることもあると思いますが、会話を振り返り、適切な表現であったか、意識をもって改善をしていくことが習得のスピードアップにつながります。

ただし、過剰に敬語を意識しすぎて、伝えるべきことが伝わらないというのでは意味がありません。相手と意思疎通を図ることがコミュニケーションの根幹であることを念頭に置きましょう。

FAQ|よくある質問

Q
「おっしゃる」と「申す」どちらが適しているか判断するコツは?
A

動作の主語が「自分」か「相手」かを考えましょう。
「(相手が)言う」ならおっしゃる(尊敬語)、「(私が)言う」なら申す(謙譲語)です。迷ったら「お客様がおっしゃる」「私が申す」と頭の中で主語を補ってみてください。

Q
「拝見いたしました」は二重敬語ではありませんか?
A

厳密には「拝見(謙譲語)」+「いたす(謙譲語)」の組み合わせですが、ビジネス慣用句として広く許容されている表現です。
ただし、よりシンプルに「拝見しました」とするだけでも十分に丁寧で、スッキリとした印象を与えます。

Q
「伺います」と「参ります」はどう使い分ければいいですか?
A

向かう先に「敬うべき相手」がいるかどうかで決まります。
お客様のオフィスを訪問する場合は「14時に伺います」を使います。一方、駅で待ち合わせる場合や、単に「行きます」を丁寧に言う場合は「駅に参ります」を使います。

Q
上司に対して「ご苦労様です」と言ってもいいですか?
A

目上の人に対しては「お疲れ様です」を使うのが正解です。
「ご苦労様」は本来、目上の人が目下の人に対してねぎらいの言葉として使うものです。上司や取引先に対して使うと失礼にあたるため注意しましょう。

Q
「お求めやすい価格」という表現は正しいですか?
A

正しくは「お求めになりやすい価格」です。
「お(ご)~しやすい」は、本来「お(ご)~になる」という尊敬の形を崩した表現ですが、最近では広告などで一般化しています。より正確なビジネス敬語を目指すなら「お求めになりやすい」が適切です。

Q
「ご存じですか」と「知っていますか」の違いは何ですか?
A

ビジネスでは必ず「ご存じですか」を使いましょう。
「知っていらっしゃいますか」も間違いではありませんが、少し幼稚な響きになります。「ご存じ」は「知っている」の尊敬語として非常に洗練された表現です。

Q
「承知いたしました」と「了解いたしました」の使い分けは?
A

目上の人やお客様に対しては「承知いたしました」を使います。
「了解」には「内容を理解して認める」というニュアンスが含まれるため、目上の人が使う言葉とされています。丁寧語の「いたしました」をつけても、目上の人には避けるのが無難です。

Q
「二重敬語」とは具体的にどういう状態を指しますか?
A

一つの言葉に同じ種類の敬語を2回重ねてしまうことです。
例えば「おっしゃる(尊敬語)」に「れる(尊敬語)」をつけて「おっしゃられる」とするのは間違いです。また、「ご覧になる(尊敬語)」に「れる」をつけた「ご覧になられる」も、よくある二重敬語の代表例です。

Q
自分の家族のことを話すときも敬語が必要ですか?
A

ビジネスの場では、家族は「身内」なので敬語は使いません
たとえ自分の父親が目上であっても、社外の人に対しては「父が申しております」と謙譲語を使います。同様に、社外の人に対して自分の上司を呼ぶときも「部長の〇〇が~」と呼び捨てにするのが基本です。

Q
「とんでもございません」は日本語として間違っていますか?
A

かつては誤用とされていましたが、現在は公的に認められた正しい表現です。
本来は「とんでもない」で一つの言葉なので「とんでもないことでございます」が正解でしたが、現在では「とんでもございません」も相手の褒め言葉を謙遜して否定する際の丁寧な言葉として定着しています。

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